【自閉症の独り言】ガムを噛むことで止められた事例

【自閉症の独り言】ガムを噛むことで止められた事例

悩みは無意識に出る独り言が気になること

「先生、授業中に自分の独り言が気になって授業に集中できません。
どうしたら気にならなくなりますか」

と相談してきたB君(18歳 アスペルガー障害)。彼が悩んでいるのは、独り言をどうやって無くすかではなく、どうしたら自分の独り言が気にならなくなるかということであった。

独り言をやめる努力をすればいいようなものだが、そうはいかない。
「独り言は無意識に出てしまうんです」とB君は言う。

 

「いつもガムを噛みなさい」と指示したことで改善

「授業中はいつもガムを噛みなさい」

と私は指示した。そして、クラス全体にそれを説明し理解してもらった。でたらめに思われるかもしれないが、私としては「簡明の原則」を適用したつもりである。

気にならなくするには、やはり独り言を止めるしかない。独り言は無意識に出てしまうわけだから、それを意識させることを考えた。そこで、口に意識を持っていかせることを「簡明」に伝えるためにガムをかませたのだ。

「間を開けないように、一生懸命噛み続けなさい」と伝えた。そして、授業が終わるたびに、独り言が減っていることを褒めた(「激励の原則」)。すぐにガムは必要なくなった。一か月もしないうちに授業中の独り言はなくなった。

【参照資料】翔和学園 伊藤寛晃氏 「特別支援教え方教室 20号」

この記事について

この記事は「NPO法人 翔和学園」様に取材または投稿頂いた記事です。
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