自閉症などの発達障害をもつお子さんを育てているお母さんたちからよく聞く話として、散髪を嫌がって困っているという事があります。
音に敏感だったり、髪の毛を触られることに非常に不快感を持ったり、子どもによって反応は様々なので対処の仕方に苦慮するところだと思いますが、皆さんどうされているのでしょうか。
なんども理容室へ連れて行ってチャレンジしてみたものの、とうとう諦めてお母さんがカットしている、というケースもあれば、何か月に一度なんとかかんとか理容室でカットしてもらっているというケース、しかし中にはたまたま近所の理容室が自閉症のお子さんに理解が深く、そのお店でならお子さんもおとなしくカットさせてくれるというようなケースもあります。
「自閉症などの発達障害をもつ子どもと散髪」今回はこのテーマを取り上げます。
いろいろ調べてみると、発達障害だけでなく、精神疾患を患う方や、身体に障害のある方、さらに高齢者といった特別に配慮が求められる方々に対するケアに取り組んでいる団体やお店も増えてきたようです。
福祉理美容師をご存知ですか
自閉症など発達障害をもっているため、特別な配慮が必要なお子さんに対応できる人材を育てる取り組みは理容業界・美容業界で積極的に行われています。自閉症以外にも身体的な障害のある方や知的障害を持っている方、またその親御さん、更には高齢で外出が困難な方々が身だしなみを整え、自分らしく前向きに生きるための支援、取り組みがなされています。
この様な分野で自分の技術を活かしていこうという高い意志をお持ちの理容師さん、美容師さんの存在は心強いですね。ヘルパー資格を始め、さまざまな福祉系の資格を併せ持つ理容師さん、美容師さんも少なくないようです。
そんな理容師さん、美容師さんを養成する活動を行っている団体をご紹介します。
NPO法人日本理美容福祉協会
この団体では「外出が困難な高齢者・障がいをお持ちの方を対象に出張理美容が安全にできる人材」を養成する活動を行っています。
ここで一定の訓練を受けた理容師・美容師の方々が「福祉理美容師」として活躍中です。
NPO法人全国福祉理美容師養成協会
この団体の理念は「誰もがその人らしく、美しく過ごせる社会の実現を目指して」というものです。
そしてこの理念に基づいて、国内での高齢者・障害者・闘病患者支援、途上国での職業訓練などを実施しています。
それぞれの団体のホームページを訪れると、理念や思い、そして熱意が伝わってくると思います。
これらの団体に連絡して自宅から通える範囲の理容室、美容室や、訪問理美容を行うお店の情報を訪ねてみるのもいいかもしれません。
自閉症をもつ子どもへの配慮を謳う理容室・美容室
自閉症をもつ子どもへの配慮を謳う理容室・美容室をいくつか紹介します。
ONE PLUS ONE:横浜市本牧
「ONE PLUS ONE では、障害のあるお子様を持つご家族も安心してご来店頂けるよう設備を充実させています」と紹介されています。
このお店のスタイリスト土橋祥一さんは、理容、美容の両方の経験をお持ちで、技術も確か、そして嬉しい事にご本人が自閉症をもつ息子さんを育てているとあって、同じような境遇のお子さんや、その親御さんに理解があります。
お子さんをまかせられる理容室、美容室をお探しであればぜひ一度相談してみることをお勧めします。
Peace of Hair(ピースオブヘアー):京都市伏見区
こちらのお店のオーナースタイリスト赤松隆滋さんはNPO法人そらいろプロジェクト京都理事長の肩書を持ち、『第11回京都人間力大賞』 グランプリ受賞、『第50回NHK障害福祉賞』最優秀賞受賞の経歴をお持ちです。
特別な配慮がひつような発達障害をもつお子さんにも理解が深く、お客様からの信頼もあつい美容師さんです。
今回、ご紹介できたお店は2軒だけでした。
こだわりの輪では、皆さんからの情報をお待ちしています。
同じお悩みをお持ちの皆さんで情報を分け合って、一人でも多くのお子さん、親御さんの悩みを解消し、少しでも生活しやすい社会に近づけるよう協力し合えたらと思います。